親子留学

【親子留学35】ドゥマゲテ(最後のプレゼン)【フィリピン】

子ども達がサウスデールを卒業した、その日の午後。

僕ら夫婦2人もまた、卒業の最終プレゼンという、この留学で最大最後のイベントを迎えることとなった。

これまでの滞在中に、お互いの授業について話すことはあったが、妻が具体的に何をプレゼンするかは聞いていないし、僕も詳しくは話していない。

妻と出会ってからかれこれ15年以上経つが、今まで彼女が勉強している姿も英語でプレゼンしている姿も見たことはない。

どんなプレゼンをするのか、夫の僕も勝手にドキドキしていた。

この日は1月の最終週ということもあって、僕ら以外にも最終プレゼンをする人が何人もいた。

シキホール島に一緒に行ったM山さんファミリーもプレゼンをする。

プレゼンの順番は先生方が話し合って決めたのか、掲示板に貼りだされていた。

トップバッターは大阪から来たSさん、2番3番はM山さん夫妻、4番目が妻で、最後の5番目が僕だ。

みんなどんなプレゼンをするんだろう。

プレゼンが始まった。

Sさんのテーマは「日本のヒーローとヒロインについて」。

仮面ライダーなど、日本のちびっ子に人気のヒーローや漫画のキャラクターについて、フィリピンの先生方に分かりやすく英語でプレゼンしている。

一体いつこんな資料作りこんでいたの?というくらい、PowerPointの資料もクオリティが高い。

2番目はM山さん。

M山さんは銀行員なので、テーマはずばり「お金」について。

どうやって日常の生活からお金を貯めていくかなどをプレゼンしている。

こんなの日本語でプレゼンするのでも難しいよ、という内容なのに、軽いユーモアを交えてスラスラと英語で喋っている。

あれ、もしかして俺ヤバいかもしれない・・・このレベルのプレゼンが続いて、最後にショボいプレゼンしたら場がしらけてしまうぞ?

3番目はM山さん奥さんだ。

英語で説明しながらアロマの調合をしてる・・・凄い。

この後のプレゼンで大丈夫か妻よ?

中学生が英語のテキストを棒読みするような感じにならないよね??

そして、妻のプレゼンが始まった。

 

タイトルは・・・The Adventure of my family in Philippines。

日本を出発してから最終日の今日にいたるまでを、家族の写真とともに振り返るという、素朴だけど何とも妻らしい内容だった。

「どれどれ、ちゃんと英語話せるようになったのかね?」なんて最初は冷やかし半分で見ていた僕も、いつしか聞き入ってしまった。

そうか・・・そうだな・・・。

あっという間だったけど、3週間の間、このblogにも全部は書ききれないくらい本当にたくさんの出来事があった。

3人の子どもを連れて、うち1人はまだ1歳になったばかりなのに、よく頑張ってくれたなぁ。

家族でこんな素敵な体験ができたことを妻に感謝しなくては。

 

こうして妻のプレゼンが終わり、いよいよ僕の番になった。

僕のプレゼンは、長男との協同プレゼン。

テーマは「ブラジリアン柔術の歴史と護身術について」。

2人とも柔術衣に着替えて登場した。

息子と一緒に共通のスポーツをしたい、という簡単な動機で始めた柔術も、今ではキッズクラスのインストラクターまでやらせていただけるほど生活の一部となり、親子のかけがえのない絆にもなった。

こうやってフィリピンにも道衣を持参して練習したり、プレゼンしたりするようになるなんて、始めた当初は思わなかったなぁ。

拙い僕のプレゼンだけど、日本の柔道との違いや、実際の護身術の方法について、頭をフル回転させながら英語で説明したら、フィリピンの先生方はとても興味深そうに聞いてくれた。

護身術の場面では、長男の可愛らしい動きに笑いが起きたりして、ひとまずは大成功…とみていいのかな。

よかった。

プレゼンが終わった後は、先生方にお祝いされて卒業式。

皆で記念撮影をして夕食を食べ、夜遅くまで飲みながら滞在中の感想や帰国してからのことを語り明かす…。

先生方もスタッフさんも他の留学生達も、みんな横並びの関係。

楽しい。

本当に楽しい。

うまく説明できないけど、日本の生活では決して味わえなかった感覚。

心から笑いあえる食事や、こんなにも楽しいお酒なんて、いつ以来だろう。

 

子ども達も、ちょっと日本では見たことのないような笑顔で楽しんでいる。

日本の生活って何なんだろうな。

僕達は何のために日本で生活しているんだろう・・・。

 

 

僕ら家族の3週間にわたる親子留学は、こうして終了した。

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