親子留学

【親子留学36】ドゥマゲテ(育休中の親子留学のススメ)【フィリピン】

 家族5人、小学生の息子と保育園の長女、赤ちゃんの次女を連れて初めてのフィリピン、初めてのドゥマゲテ。 親子で初めての留学。期間は一か月弱と留学にしては短いけど、家族旅行の日数と比較したら結構長い。 妻には言えませんでしたが、出発する前は、正直不安がてんこ盛りでした。

 1歳の赤ちゃんがいるのに大丈夫なの?

 子どもが体調崩したり、怪我したりしたらどうするの?

 語学留学だとセブ島が有名だけど、何でドゥマゲテなの?

 そもそも赤ちゃんを育てるための育児休業なのに、語学留学とかしちゃっていいの?

 同居しているお祖母ちゃん(僕の実母)の理解は得られるの? ←これが何気に難関

 こういった不安を抱えたままで、僕ら家族はフィリピンへ飛び立ちました。 そして、行ってみた結果、最終的にこれらの不安は杞憂に終わり、親子留学は僕の育休中のイベントとして、最も「人生観」と「価値観」を変えるものとなりました。

 こんなに良い体験なら、是非僕の周りの人に伝えたい。もっと親子留学の良さを、ドゥマゲテの良さを知ってもらいたい。

 そう思って、今では、男性の育児休業の取得と並行して親子留学を世間に広めるべく活動をし、ドゥマゲテへの移住を真剣に計画・実行中です。

 これからフィリピンへの親子留学を考えている方、育休中に親子留学に行こうか悩んでいる方、フィリピン留学ならセブが有名だけど、敢えてドゥマゲテにしようか迷っている方がいたら、是非参考にしてみてください。

ドゥマゲテでの生活

 そもそも皆さん、ドゥマゲテって街をご存じですか?聞いたことありました?僕は親子留学するまで、その存在自体を知りませんでした。なので、まずはドゥマゲテがどんな街なのかから説明します。

ドゥマゲテってどんなところ?

 フィリピンの真ん中あたりにあるネグロス島、その南部にある小さな街がドゥマゲテです。セブ島にも近いこの街は、ダイビングやマリン・アクティビティのスポットとしても有名で、多くの観光客が訪れています。 ドゥマゲテの近くにあるアポ島は、世界のダイビングサイトBEST10にも選ばれているスポットのようです。以前書いたように、僕はアポ島にはあまり良い

思い出がないのですが、確かに海はめちゃくちゃ綺麗でした。ダイビングはまだ経験していないので、近いうちにライセンス取得もかねて新しい世界にチャレンジしてみようと思っています。

 ドゥマゲテは市内に5つもの大学がある学園都市です。そのせいもあって、街中は若い人であふれています。

 もともとフィリピンは国民の平均年齢が24歳という若くてエネルギッシュな国なのですが、学生が多く集まるドゥマゲテはさらに若い印象を受けました。国民の平均年齢46歳、2020年には女性の過半数が50歳以上になってしまう日本とは大きな違いです。

 また、ドゥマゲテの街を歩いていて感じたのが西洋人の多さでした。思っていたよりも白人が多い。それもそのはず、ドゥマゲテはあの有名な経済紙フォーブスで「移住したい街ランキング」の第5位に選ばれたこともある街なのです。実際に僕も生活してみて、ここなら日本人が十分生活していけるな、と感じました。

気候や気温はどうなの?

 僕らが滞在したのは1月と3月でした。熱帯モンスーン気候に属するドゥマゲテの乾季は12月~5月、雨季は6月~11月。年間平均気温は27.7℃で、年間平均最高気温は31.3℃、年間平均最低気温は24.2℃。寒暖差があまりなく、数字だけ見ると最近の日本の環境よりかなり過ごしやすくなっています。ここ最近の日本の異常気象はホントおかしいですからね。

 年間降水量は1,309㎜、年間降水日数は151日くらいなので、一年の3分の1程度は雨が降っているドゥマゲテ。でも、シーズン中は雨がずっと続いているわけではなくて、僕らが行ったときも乾季なのに突然すごい雨が降ったりしていました。年間通してそこまで変わらないみたいで、どの時期でも降るときは降るみたいですね。雨に慣れているのか、そういう文化なのか、傘を持っている人はあんまり見かけませんでした。ずぶ濡れになりそうなくらい降っていたら、普通に雨宿りです。特に不便は感じなかったかな、洗濯物がなかなか乾かないことを除いては。

生活費は日本と比べてどうなの?

 物価が安いイメージのフィリピン。ここドゥマゲテも安いです。家族でちょっとお洒落なレストランで食事しても、1,000円ちょっともあれば足りてしまいます。チップを払う文化もないので、請求された金額をそのまま払うだけで大丈夫。どこかへ移動するときも、トライシクルを使えば近場で20円、少々遠くても100~200円くらいでどこでも行かれます。水やドリンク類も安いし、日本で生活するより全然お金はかかりませんでした。

 ちなみにフィリピンの物価は安いといっても、やはり場所によって変わってきます。セブのITパーク付近で家族でランチしたときは、日本と変わらないか、日本より少し高いくらいでした。都市部はすごいスピードで発展しているので、物価も右肩上がりなんでしょうね。ドゥマゲテもどんどん開発されてきてはいますが、まだしばらくは安く生活することができるのではないかと思います。

食べ物はどうなの?

 フィリピンの主食は日本と同じ「お米」です。ただし、味と食感は別。そもそもお米の種類が違います。日本はジャポニカ米、フィリピンはインディカ米。フィリピンのお米はタイ米と同じように、基本的にパサパサしていて粘り気がありません。僕はタイ米好きなので特に気にならないですが、お米にうるさい人にとってはちょっと好みが分かれるかもしれません。でも食べ慣れると美味しいですよ。

 レストランに行けば、豚も牛も鶏も魚も、大抵の料理はあります。中でも多かったのは鶏料理。フィリピンの人は鶏肉がとても好きなようです。ドゥマゲテでおススメなのはJo's ChickenやMang InasalなどのチキンBBQ。味付けは濃いめですが、ジューシィで日本人好みの味でした。

鶏肉にむしゃぶりつく長女。

 ちなみに、日本でおなじみのマクドナルドやスターバックスなどのお店も、ドゥマゲテにはないものの(※2018年当時。現在はスターバックスがドゥマゲテ市内にあります)、フィリピンには普通にあります。しかし、せっかくフィリピンに来たのならぜひ行ってほしいのがフィリピンの国民的ファストフード「Jollibee(ジョリビー)」。日本人には全くなじみのない謎のキャラクターが目印です。上記のMang Inasalもジョリビーのグループ。

謎の蜂のキャラクター。

 味はいたって普通のハンバーガーです。Googleでジョリビーと検索すると関連キーワードで「ジョリビー まずい」と出てきますが(笑)、そんなことはありません。味付けがマクドナルドとは違うだけで、美味しく食べられますよ。セットのスパゲッティだけは…ちょっと合わないかもしれないけど。麺が柔らかくて何か独特なので。

ジョリビーのアイスがお気に入り。

 …こうやって書くと、何だかフィリピン料理が美味しくなさそうな印象を受けますが、僕ら家族はドゥマゲテ滞在中に特に食事で困ったことはありませんでした。フルーツも安くて新鮮で、子ども達は喜んで食べてました。ただ、僕らが滞在した語学学校では日本人向けに食事をアレンジされていたので僕らは困らなかった、というのもあるかもしれません。一般的なフィリピン人はお米とお肉が大好きで、日常の食生活では野菜が不足しがちなようです。滞在する場所にもよるでしょうけど、身体のためにも野菜は意識して摂った方がよいでしょうね。

衛生面はどうなの?

 …失礼ながら、僕が妻から最初に「フィリピンに親子留学へ行こう」と提案されたとき、まず気になったのがこの「衛生面は大丈夫なのか?」ということでした。1歳の赤ちゃんを連れってて平気なの?と。結論からいうと、ドゥマゲテでは全く問題ありませんでした。子ども達から特に不満の声も上がらず、病気にもならずに過ごせました。

 確かに日本と同レベルの清潔さがあるかといったら、そんなことは全くありません。繁華街に行けば排気ガスが酷いし、場所によってはゴミだらけのところもあります。何より日本人にとって一番のネックはトイレ。宿泊する場所によって異なりますが、フィリピンのトイレは基本的に紙を流せません。拭いた後は便器の脇にあるダストボックスへぽい、です。他の子連れのパパママ留学生に聞いても、フィリピンのトイレだけはちょっと大変だったという話をよく聞きました。

普通に流せるところも増えてます。

 ただ、人間というのはすごいもので、これもある程度は慣れます。外国によく行かれる方はご存じでしょうが、日本ほどトイレが清潔な国は珍しいです。公衆トイレでもウォシュレットがついている、なんて国はそうそうありません。日本のレベルを海外に求めるのがそもそも間違いなんじゃないかと僕は思っています。日本だって僕が子どもの頃はボットン便所が普通にありましたし、今でも田舎へ行けば見かけることがあります。フィリピンも今後発展していくにしたがって、その辺は改善されていくんじゃないかな、なんて思ってます。

親子留学

 ここまではドゥマゲテで生活をしてみて、実際にどうだったかについて書いてきました。ここからは、親子で留学することで得られた経験や、体験について書いていきます。

赤ちゃんや子ども連れで語学留学して大丈夫なの?

 大丈夫です。親がレッスンを受けている間、赤ちゃんはフィリピン人のベビーシッターさんがちゃんと面倒を見てくれます。費用も半日預けて数百円という安さですし、赤ちゃんを上手に英語であやしてくれます。僕の次女は長男&長女と違い、かなりの人見知りで他の人に抱っこされると激しく泣く子だったのですが、泣いていたのも最初の数日だけで、帰国する頃にはすっかり懐いて自分から抱っこされに行くようになっていました。親の僕らは安心してレッスンだけに集中することができたので、面倒を見てくれたベビーシッターさんには今も本当に感謝しています。

大好きなベビーシッターさん。

 また、留学先にもよると思いますが、食事や洗濯がついている留学であれば、ママは日常の家事からほぼ完全に解放されることになります。これはかなり大きいです。親子留学というと、四六時中自分の子どもと一緒にいなければならないようなイメージがありますが、むしろ逆かもしれません。自分のレッスン中は英語の勉強に集中できるし、日常の家事からは解放され、子ども達は自然の中、優しいフィリピン人の先生達と遊びながら勉強できる。日本で実現するには、かなり高額な費用が掛かりそうな環境です。そんな環境を、フィリピン親子留学では非常に低コストで実現することができるのです。

子どもにはどんな学習をさせればいいの?

 ベビーシッターを頼むほどではない年齢の子には、一緒にレッスンを受けさせましょう。子どもの吸収力は本当に素晴らしく、我が家の場合だと3週間という短い滞在期間だったにもかかわらず、長男は英語で1分以上のスピーチを皆の前でできるようになりました。最初の数日は一言も英語を発しようともしなかった長男が、次第にフィリピン人の先生たちと談笑するようになり、買い物へ行けば自分から店員さんに商品の売り場を英語で聞きに行き、両替所では世間話してお菓子をもらうまでに成長したのです。この目覚ましい成長スピードを一緒に体験できる、親子で伴走できるのは親子留学の醍醐味ではないかと思います。英語に自信を持った長男は、帰国してからの英検受験も難なくパスしました。

 留学先のスクールで子ども用のレッスンを受けさせるのでなければ、現地校に通うことになるでしょう。我が家は両方経験しました。スクールのマンツーマン授業なら、親の目の届くところで集中して英語のレッスンを受けられます。しかし、目の届くところにいる分、親としてどうしても子どもの様子が気になりますし、子どもにとっても甘えのようなものが出てきてしまいます。一方、現地校は完全に親元から離れるので、子ども一人で異国文化の中に放り込まれるハードな面があります。ハードな反面、幼いうちからリアルな異国文化を肌で学べるというメリットもありますが、通学の往復や学校のセキュリティなど、細かいところで気になる部分も出てくるでしょう。どちらにもメリットがあり、デメリットもあります。一概にどちらがいいとは言えないので、可能ならば両方体験させてみることをおススメします。人見知りの我が子が現地校なんて通えるかなぁ、なんて思うかもしれませんが大丈夫。お子さんはあなたが思っているよりもはるかに強く、順応性も高いです。せっかくの留学なのですから、子どもには思い切ってたくさん経験させてみるのが一番です。日常生活とは全く違う環境であり、自然豊かなドゥマゲテには、たくさんの学びがそこらじゅうに転がっています。

トライシクルで通学。

ドゥマゲテに留学することでどんなメリットがあるの?

 フィリピン留学で有名なのは何といってもセブ島。利便性が高くて、快適で、治安もそれほど悪くない。実をいうと、我が家も最初はセブ島への親子留学を検討していました。ITパークの近くのスクールで、子どもは全てベビーシッター、移動手段は全てタクシーというプランの親子留学計画を直前まで進めていたのです。

 そんな中、妻がひょんなことから「ドゥマゲテというもっと自然豊かで治安のよい留学先があるらしい」と言い出しました。思い立ったらすさまじい行動力を発揮する妻は、それからあっという間にドゥマゲテについて詳細に調査開始。そして、トータルで判断した結果、最終的にはセブ島よりも不便で、あまり知名度も高くないドゥマゲテを選びました。なぜか?

 それは、留学に求めるものが「英語」だけでなく、ましてや利便性や快適さでもなかったからです。セブ島の繁華街は、日本と変わらないくらいの都会です。ほとんど日本にいるのと変わらないような、快適で便利な留学生活が送れると思います。でも、その便利さが僕らには逆に引っかかりました。そんな快適な環境だと、日本で英会話スクールに通うのとどこが違うのだろう、と。実際、僕らはドゥマゲテの後にセブにも行ったのですが、正直言ってそこまでセブでの留学生活に魅力を感じませんでした。それはたぶん、セブにはない魅力がドゥマゲテにあったからだと思います。

セブは都会。

 言ってみれば、昭和の頃の日本の良さというか。懐かしさといいましょうか。今の日本では既に失われてしまった「生活の楽しさ」がドゥマゲテには残っています。明るく一生懸命で、大変だけどなぜか楽しい。なので、単純に英語だけを学びたいのではない、自然文化や暮らしの楽しさも満喫したい、という方には、ドゥマゲテという街は特におススメです。

まとめ

 僕は今まで、子どもと一緒にたくさんの経験をしてきました。男性なのに一年間の育休をとったこともあって、たぶん一般的なパパの中では子どもと多くの時間を過ごしている方だと思います。幸せなことです。

 そんな僕なので、子どもが心底笑っているか、楽しんでいるかは、顔を見ればすぐに分かります。つまらなさそうな顔をしたり、帰りたそうな顔をしていたら一目瞭然です。国内旅行であれば「じゃあ、そろそろ帰ろうか」と切り出します。子どもが楽しんでいない環境を親が強制するのは、それがいくら子どもの成長につながることであっても本末転倒と考えるからです。

 なので、3週間にわたる親子留学は僕にとって大きな賭けでした。日本より不便なことは間違いないし、友達もいない。言葉も通じない。慣れ親しんだテレビ番組もやってないし、ゲームもアニメもない。いわば、娯楽が一切ない状況の中で、子ども達が耐えられるか不安だったのです。

 ところが。

 ドゥマゲテで見た我が子達の笑顔は、日本では見たこともないような心からの笑顔でした。ゲームもアニメもテレビもない、うまく言葉も通じない環境の中で、我が子達は毎日全身全力で学び、楽しみ、遊んでいました。滞在している部屋にじっとしていることはなく、毎日先生方と一緒に英語で勉強して、走り回って、たくさん食べて、くたくたに疲れて眠る。あれほど毎日充実している我が子達の姿を、僕はそれまで見たことがありません。そんな子ども達の姿を見て、僕は親として「普段過ごしている日本の環境は、果たして子ども達にとって幸せなのだろうか…?」と考えざるをえませんでした。

 もちろん、限定された期間の非日常、という要素はあると思います。子どもの学習内容や教育レベルも、日本とフィリピンではフィリピンの方が高いということは決してなく、初等教育においては日本の教育レベルの方がはるかに高いでしょう。ドゥマゲテに留学さえすれば、英語はペラペラ、日本にいるのと遜色ない学力になれるとは決して言いません。

 しかし、閉塞感でいっぱいな日本とは明らかに違う、子どもを育てる上では欠かせない大人の優しさや、豊かな感性を育む自然がドゥマゲテにはありました。日本よりも不便な生活にもかかわらず、笑顔でいっぱいな生活がそこにはあるのです。日本のように子どもの自殺率が上昇し続けていることもありませんし、赤ちゃんを連れたママがバスに乗って舌打ちされることもありません。行き場をなくした大人が、絶対的な弱者である子どもを狙って無差別殺人をするなんてことは起こりえません。 子どもを大切にしよう、社会で守って育んでいこうとする文化があるのです。

 このblogを読んで、ドゥマゲテに興味が出てきた、親子留学してみたい、育休中に子どもを連れてドゥマゲテに行ってみたいという思いが出てきたら、ぜひ思い切って一歩進んでみてください。日本で過ごすのとは確実に違う、価値観をひっくり返すような経験ができると思います。もちろん、英語力も身につきますし、子どもにとって何より大切な「生きる力」が身につくのではないかと思います。

 そして、もし、もっと詳しく聞いてみたいという方がいらっしゃったら、遠慮なくお問い合わせフォームからご連絡くださいね。良い部分もそうでない部分も含めて、ドゥマゲテと親子留学の魅力を可能な限りお伝えします。

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