トライシクルに乗って「リサール通り」と呼ばれる海岸沿いについた我々一行。
ここリサール通りは、夕方になると色々なお店が屋台を出してくる場所らしい。
一旦ここで現地のローカルフードを軽く食べてから、予約してあるというレストランでガッツリ食べることにした。
屋台に着いてさあ注文、となったが、何しろ僕らはフィリピンに初めて来たばかりだ。
注文しようにも何が美味しいのか、何が有名なのか、まるで分からない。
そこで妻の友人に完全にお任せすることにした。
出てきたのは、魚の練り物を揚げたようなのが串に刺さってる食べ物と、ゆで卵。
串の方はチリソースみたいなのをつけて食べる。
うん、なかなか美味しい。
次の卵は… あれ、何か普通の卵じゃないっぽいぞ?
ゆで卵というか、何かこれ、中に孵化しかけのヒヨコが入ってるんすけど。
…やられた。
ここに来たのは、これを味わわせるためか。
「ほらパパ、ちょっとこれ食べてみ…」
「食えるか!!」
遮るように気味に即答した。
こういうグロテスクな食べ物、昔から僕は全く受け付けない。
いや、大抵の人はそうだろう。
卵や鶏肉を食べるのと、孵化しかけのヒヨコを食べるのは、似ているようでかなり違う。
こんなの絶対に食べられない。
「まずちょっとだけ殻を破って、中の汁を吸うんだよ」
妻の友人は嬉しそうに説明している。
それをフンフンと聞きながら、おもむろに卵に口を付けてチューチューと吸っている。
おいおい、マジか。
俺こういう人とこれから3週間も一緒に暮らすのかよ(夫婦だから3週間どころではない)。
「ママ、僕も食べてみる!!」
とうとう、好奇心旺盛な息子まで食べ始めた。
お前やめとけって!
…よく食えるなお前ら、そいつ本当は鳥としての一生を送るはずの奴だったかもしれないないんだぞ?
あと少しで孵化するって時に、熱々に茹でられちまって可哀想じゃないか。
普段、生卵食べてる時点で、僕にそんなこと言う資格ない気もするけど。
とにかく、単純にグロいのが嫌いな僕は、妙な倫理観を振りかざし、最後までこの卵とヒヨコの中間の食べ物を拒否した。
ちなみにこの食べ物、「バロット」といって孵化直前のアヒルの卵を茹でたもの。
フィリピンでは割とメジャーな食べ物だそうだ。
こうしてフィリピンで最初のカルチャーショックを受けた僕らは、次の予約したレストランに向かった。
ここはHayahay(ハヤハイ)といってドゥマゲテでは有名なレストラン。
食事もフィリピンのローカルフード以外に普通のピザなどもあって、どれも美味しかった。
こっちは普通に家族連れにおススメです。