おいおい。
赤ん坊を抱いているあなたが最初に墜ちてどうする。
目の前で吐かれたら、子ども達に連鎖するぞ?
と思って、長男と長女の方を見ると、まるで平気な顔。
「向こうに陸が見えてきたぞー!!」と元気いっぱいだ。
まあ、パパもちょっと気持ち悪くなったけど、何とか我慢できたよ。
ママは何か横になって、時折、船外に向かってゲロしてるけどね。
同行してくれているベビーシッターの女性に1歳の次女を預けっぱなしで。
「パパ、泳いでウミガメ探そう!!」
という長男。
よし、波は荒いけど一緒に入って探してみよう。
…と、着水して泳ぎだしたのも束の間。
パパも逝った。
シュノーケリングしている時に、波に揺られて酔うという経験は生まれて初めて。
こりゃキツイ!
1匹だけウミガメ見つけたけど、そんなのもうどーでもいい。
気持ち悪くて海の中に入っていられない。
かといって、船の上も地獄。
正直、この時ばかりはアポ島行きを選んだことを本当に後悔しました。
シュノーケルを始めてから帰ってくるまで、ただひたすら「早く殺してくれ」と思ってました。
意識も朦朧としていたので、写真も全然撮れない。
そんな余裕ないどころか、カメラやスマホに気を向けることすらできませんでしたorz
唯一救いだったのは、子ども達は何ともなかったということ。
普段、真っ先に吐く長男も、乗り物酔いとは無縁ながら今回病み上がりの長女も、船の上でスタッフのお兄さんたちと一緒に大騒ぎしてる。
「イェーイ!!」
と船上ではしゃぐ長女。
荒波の中、船員のフィリピン人と一緒にひたすら潜ってウミガメを探す長男。
一方、パパとママは横になって目を閉じ、カタカタと震えていた。
忘れていたのだが、行きは波に乗って進んでこられたのだけれど、帰りは波に抗う形で進んでくることになる。
当然、行きよりも時間はかかるし、何よりも波飛沫が半端ない。
遊園地のアトラクションでちょっと濡れるくらいの経験しかない僕ら夫婦にはキツすぎた。
10秒に一度くらいの頻度で、真正面からバケツで顔面に塩水を浴びせられる姿を想像してみてほしい。
ただでさえ船酔いでグッタリしている状態なのに、延々と海水を浴び続けるのだから、ほとんど拷問だった。
「船に乗った難民の人たちって、本当に命がけなんだろうなぁ…」
曖昧な意識のなかで、何故かそんなことを強く思ったのを覚えてる。
ちなみに、行きと同様、帰りも小舟に乗って海岸まで戻る。
僕ら夫婦も小舟で戻ったはずなのだが、どうやって乗ったのか、まるで記憶にない。
上記の写真も、僕と妻のどちらが撮ったのか、どうやって撮ったのか分からない。
一つだけ覚えているのは、船上で大量にバナナを食べていた次女が、この帰りの小舟の中で最後の最後に大ゲロを吐いたということだけだ。
妻の胸の中で。
でも長い時間、よく頑張ったね。
…なお、誤解のないように書いておきますが、僕らにとってキツかったのは「台風の荒波」です。
波が穏やかで天気もよかったら、きっと全然違った体験になっていたはず。
手配してくださった五十嵐さんも、同行してくださったスタッフの皆さんも、我々家族に本当に気を遣ってくれたし、子ども達もめちゃくちゃなついて喜んでました。
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