財団のオフィスを出た僕らは、その足で財団のビジターセンターへ向かった。
ここでは財団がどんな活動をしているか、分かりやすく説明してくれるらしい。
入場は無料。
息子はもちろん、僕も財団の具体的な活動内容は知らないから、ここで初めて知ることになる。
入り口から入ると、すぐにこんなオブジェが僕らを迎えてくれた。
実に神々しい、ビル会長である。
このオブジェはスライドになっていて、財団の活動を写真入りで説明してくれる。
ビル・ヴァージョンの他に、メリンダ・ヴァージョンとウィリアム(父)・ヴァージョンもあった。
こうやって、自分たちがどんな活動をしているかを一般に向けて分かりやすく説明するのって大切だな。
僕のような普通の人には、外から見ただけじゃ具体的な活動なんて分からない。
そういう一般の人に活動内容を説明し、理解してもらって、一緒になって考えてもらう。
どうやったら世の中をよりよく変えられるのか、僕ら1人1人が出来ることは何か、子供の頃から考えられるようになる。
ちなみに息子は、人間の排泄物から飲料水を作り出す理科の実験みたいな装置にえらく興味を持って観ていた。
写真はうっかり撮り忘れちゃったけど。
センターの中はそんなに広くなくて、奥の方に行くと大きなディスプレイが。
たくさん人の顔が映し出されてるなぁ、何だろうこれと思ってたら、隅っこの方に写真撮ってメッセージを入力するコーナーがあった。
そうか、ここで撮った画像が向こうに映し出されるのか。
入力するのは、名前と国名、そしてメッセージ。
メッセージにはいくつかテンプレートが用意されている。
画面上方のカメラに合わせて顔写真を撮って、もしそれをメールで送ってほしいのなら自分のメールアドレスも入力。
とりあえず、息子にやらせてみた。
「We can change the world ~」というテンプレがあったので、それを選ぶ。
息子に「どうやれば世界を変えられると思う?」と尋ねたところ、「マジック!」という回答だったので、それを入力。
…出た!!
おお~、凄い!!
マジックで世界を変えるって、こりゃまた壮大な野望だな。
息子の将来なりたい職業は「マジシャン」「数学者」「物理学者」らしいけど、どうかその夢を忘れずに生きていってくれ!!
こうして、僕らはビル&メリンダ・ゲイツ財団を後にした。
さて、5日目でこの旅のイベントは9割方終了したことになる。
残すは、明日のマウントレーニアだけだ。
夕食を食べた僕らは、再び宿泊場所近くのガスワークパークへと向かった。
ガスワークパークから、湖越しに眺めるシアトルの夜景。
うっすらと空が赤くなっているのがお分かりいただけるだろうか。
夏場のシアトルの夜は、ずっとこんな感じらしいです。
夜21時半くらいになって、ようやく日が落ちます。
「パパー、写真撮ってー」と息子。
この旅が始まった2日目、3日目の頃はかなり空気悪くなっちゃうこともあったけど、野球観戦の後からは特に大きな問題は起こらなかった。
息子もボーっとしているように見えて、たくさんのことを感じて、学んだのだろう。
しかし、恥ずかしながら息子以上に成長したのは、他ならぬ私自身のような気がする。
やっぱり、普段近くに妻がいるとどうしても「ママ、任せた」と逃げてしまう部分があった。
日本から遠く離れたこのシアトルで息子と2人になって、本気になって息子との関係や家族について考え、真剣に息子と向き合ったことで、僕の中で確実に何かが変わった。
ただ単に家族でアメリカに海外旅行に来たんだったら、絶対にこうはならなかっただろう。
FJKをはじめ、関係する全ての皆さんに改めて感謝!
日が落ちて辺りが真っ暗になってきた。
そろそろ宿に戻って、明日のマウントレーニアに備えなきゃ。