前回、陶芸体験に行ってきた 大田区北千束にある陶芸工房「土花(つちはな)」さん。
僕らが選んだのは全3回のコースで、1回目は原料の土を練って器の形を作るところまで。
この記事では、2回目の高台削り(器の外側の底部分を削って形作る)と、3回目の釉がけ(色つけ)までをご紹介します。
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【陶芸体験】子どもと「陶芸工房 土花」さんへ行ってきました【東京】
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2回目〜高台削り
前回の訪問から約一週間。
2回目となる今日も店主の関口さんは元気にお出迎えしてくださいました。
関口師匠とご挨拶した後は、前回成形した自分の作品と再会です。
しっかり乾いて固まってくれていました。
2回目の作業は、高台を削って器を水平に自立させるところまでです。
まずはどの部分を削っていくのか、しっかりレクチャーを受けます。
レクチャーを受けたら、器の厚みを測っていきます。
削りすぎを防ぐために、器の底の厚みを測るのです。
「でも、どうやって測るんだろう?」と見ていたら、極めてシンプルな方法で計測していました。
木の棒を器の内側中心部に垂直に立てて、縁の高さに印をつける。
次は、器の外側に垂直に立てて、縁の高さに印をつける。
その差が器の厚みとなります、って小学生でもわかる単純な算数だなこれ。
やっぱ算数の勉強って大切なんですね。
器の厚さを測ったら、今度はろくろの中心部分に器を置きます。
ろくろを回転させるので、ブレないように中心部にしっかり狙いを定めます。
次に、土を使って器をろくろに固定。
この土は固くなるので、ビックリするほどしっかり固定されます。
回転させたろくろの上で、高台の厚み分の円を書いていきます。
ズレないように鉛筆をしっかり持って…
今度は鉛筆で書いた円の内側と外側を、カンナで削ります。
角度を変えて少しずつ当てていくことで、高台を形作っていきます。
ちなみに、削った時に出る削りカスは廃棄されるのかというと、そうではありません。
ちゃんと集めて、元の大きな土の塊に戻すのです。
今回ろくろをビニール袋で囲っているのも、削りカスを飛び散らかさず、後でまとめるため。
手を洗う時も、水を溜めたバケツで洗ってから水道水で流します。
これもバケツの中に沈澱する土を集めて、再利用するからなんです。
「限られた地球資源は一つも無駄にしません」と関口さん。
ろくろを回転させて削るのに慣れてきたら、器の外側もちょっとずつ削って調整していきます。
ある程度の形が作れてきたら、後はもう本人の感覚の世界。
長女は「ここをもうちょっとこう…」などと言っていましたが、傍で見ている僕には違いが分かりません。
削り過ぎないように注意だけして、後は本人にお任せ!
スポンジで削りカスを優しく落とした後は…
高台の内側に自分の名前や印などを掘っていきます。
長女は自分の名前から一文字とって、後はお花で飾りつけ。
器の形についての作業は、これで全て完了です。
第2回目はここまで。
作業時間は1時間半くらいでした。
この後は「焼き」の工程に移るのですが、それは関口さんにお願いして、3回目は釉がけ(色つけ)をしていきます。
3回目〜釉がけ(色つけ)
前回の訪問から約1ヶ月が過ぎた頃。
「素焼きが終わりましたよ」との連絡を受け、これで3回目となる土花さんへの訪問をした僕ら。
3回目となるともう緊張も全くないのか、師匠への挨拶もそこそこに自分の作った器に一直線。
「おぉ〜!焼けてるぅ!」と大層喜ぶ長女。
自分の作品と1ヶ月ぶりの再会をした後は、今回の目的である釉がけ(色つけ)について説明を受ける。
僕らが最初抱いていたイメージでは、絵筆か何かを使って全体を塗ったり、模様をつけていったりするものだとばかり思っていたけど、実はそうじゃないらしい。
「筆で細かく塗っていくのではなく、器を塗料に浸していく感じです」
う〜ん、一体どんな作業なんだろう?
とはいえ、筆を全く使わないかというとそうではなく、部分的に塗るところはもちろんある。
それは前回作業した高台の内側の部分(名前や印をつけたところ)。
高台自体に色をつけてしまうと、底がツルツル滑る器になってしまうので、高台には色をつけない。
その内側の部分は浸しようがないので、筆を使って塗料を塗っていきます。
そして、浸すというのはこんな感じでやります。
しっかり持つと持った部分に指あとがついちゃうし、うっかり落とすと台無しになっちゃうしで、かなり神経を使う作業。
流石に長女1人にやらせるのは危険と思ったのか、優しく手を添えてアシストしてくださる関口さん。
高台に触れないくらいのところまで浸けたら、引き上げます。
この塗料、驚くほどの速乾性で、あっという間に乾きます。
2回ほど浸けたところで、写真を撮ってみました。
長女が選んだのは「青」なんですが、この段階では全然色が分かりません。
塗料がある程度乾いたら、場所を変えて浸していきます。
ここでもガッツリ触ってしまうと塗った部分に指あとがついてしまうので、優しく触れていきます。
基本的にこの作業の繰り返しです。
高台と同様、お皿の内側真ん中部分だけは浸せないので、ここはお玉で塗料をすくってかけてあげます。
表面はこれで完成で、残すは高台の周辺部。
「このままでもデザインは良いと思うし、こういう方がお洒落に見えるかもしれないけど…どうしますか?」と関口さん。
「う〜ん…全部塗りたい!」と長女。
どうやら高台以外は全てに色をつけたい様子。
「ここにね、ちょんちょんって模様つけるの」
焼き上がってみないとどうなるか分からないけど、長女なりにデザインを考えているようです。
こうして表面の全てに色つけが完了。
見た目は灰色ですが、焼き上がりは鮮やかな青色になる、はず…。
「よく乾かした後に焼いておきます。出来上がったらご連絡しますね」と関口さん。
約1ヶ月間にわたり、本当におせわになりました。
しっかり手を洗って、本日の作業は終了です。
全3回の工程が終了した僕ら。
後は関口さんにしっかり「焼いて」もらって、作品が出来上がるのを待つばかりです。
今回の訪問は40分くらい、今までで一番時間のかからない工程でした。
関口師匠と最後の記念撮影。
今回の記念に、手作りのオカリナを買って嬉しそうな長女。
いよいよ完成!
あれから約3週間。
「綺麗に焼き上がりましたよ」という関口さんからの連絡を受け、すっ飛んで取りに行ってきました。
もちろん、郵送対応もされていますが、待ちきれない長女のために直接受領へ。
こちらが完成品。
元々が土の塊だったとは思えないくらい、しっかりと器になっています。
底の部分もきちんとできています。
自分の名前の一文字がしっかり刻まれていて、喜ぶ長女。
最後に付けた模様も「どうなるのかな…」と思っていたら、思ったより綺麗な模様になっていました。
世界に一つだけしかない、自分だけの器が完成して、長女もご機嫌です。
親としては洗い物の時に毎回緊張感が走ることになりますが、末長く大切に扱っていきたい食器が一つ出来ました。
全3回にわたってお世話になった陶芸工房 土花さん。
この夏休みにとってもよい経験と思い出ができました。
これ、早めに予約して行けば、小学生の夏休みの自由研究とかに最適なんじゃないかと思います。
やり方は全部このblogに書いちゃってるけど(笑)、ある程度参考にしてもらいながら書けば、多分自由研究の題材としては問題ないはず。
大田区北千束にある陶芸工房土花さん、オススメです。
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